2025年05月17日
ピクトリコ ショップ&ギャラリーでは、2025年6月17日(火)〜21日(土)
東京写真月間2025 国内企画展として松村明 写真展「閃光の長崎」を開催いたします。
皆様のご来場をお待ちしております。
終戦80年という節目として、今回の東京写真月間2025企画展、ピクトリコギャラリーでの展示は、長崎で被爆された方たちを撮影し続ける松村明氏の写真展を開催いたします。
以下は「東京写真月間2025図録」から抜粋した松村氏による文面です。
被爆者の体験は視覚からだけではなく、一生忘れられない体で覚えた記憶になっている。また、親や子を無くしても、涙も出ない。憶えていないなど、自己防御規制と思われ、心が感情を封印してしまう。それらを始め異常体験をくぐり抜けてきた被爆者の身体、特にお顔に刻みこまれていることが見えてきた。
撮影にあたり私なりに勝手な決めごとをし、爆心から5キロ圏内、被爆の瞬間を体験している方に限らせていただいた。この条件下の方々は、特段の異常な体験であったであろうことからだ。
被爆者の平均年齢が85歳を超えた。いざ撮影という段になって、体調がすぐれず対応できない方や、次の約束で連絡をすると「亡くなりました。」という事もあり撮影の状況は年々難しくなってきている。
今回の展示作品は、フィルムはモノクロ、プリントはバラ板紙を使用。モノクロームトーンにおける抽象化、デジタルとは一味違うトーンの深みと粒子による円やかさで伝わり方が違う。その質にこだわる事で被爆者の顔に刻まれディテールをじっくり見てもらいたいものだ。また、モノクローム写真だけではなく、カラーの長崎の情景も加えた。(カラーはインクジェットプリント)
現在、80有余名の被爆者のお顔を撮影した。100名の目標に近づくべく撮影は続く。
松村 明 Matsumura Akira
1946年京都生まれ。1969年日本大学芸術学部写真学科卒業。
写真家・長野重一氏に師事、毎日新聞社写真部入社。カメラ毎日本誌及び別冊ニューヌードなど担当。
1983年 文化庁在外派遣研修員、ニューヨーク州のイーストマンハウス国際写真美術館で研修
1987年 「EMPATHY」日本現代写真10人展(森山大道ほか)全米巡回展キューレイション
2005年〜2013年 九州造形短期大学写真学科教授
2014年〜 福岡市・大名にて写真塾・フォトマッサージ主宰
写真展
1992年 写真展「眼貌 -硬派紙面の顔-」銀座ニコンサロン
2000年 写真展「関門の街」銀座・福岡キヤノンサロン
2001年 写真展「路地の向こう」銀座ニコンサロン
2005年 写真展「眺めの行方」新宿ニコンサロン
2021年 写真展「閃光の記憶ー被曝75年」ポートレートギャラリー、
イタリア館アートスペースギャラリースパツイオ(福岡)、ナガサキピースミュージアム
2023年 写真展「立ち上がる光」ポートレートギャラリー、長崎県美術館、アジア美術館
写真集
2003年 写真集「路地を抜けると-神田-」(蒼穹舎)
2010年 写真集「ありふれた長崎 あの日から65年」 (窓社)
2015年 写真集「Evidence NAGASAKI」(冬青社)
2021年 写真集「閃光の記憶ー被曝75年」(長崎文献社)
2023年 写真集「立ち上がる光」(アルファブックス/ アルファ企画)
期間:2024年6月17日(火)〜21日(土)
時間:11時〜18時
場所:ピクトリコ ショップ&ギャラリー
住所:〒130-0015 東京都墨田区横網1-2-16 両国ガイビル 國技館前 5F(旧:東誠ビル)